お手本的記事紹介ー。

これまず読んでほしい。
大変よい記事だと思うの。なんていうのか、テンプレ的批判に対する教条的・・・というかお手本みたいな反論が掲載されててとってもお便利なコラムになってます。ん?コラム?記事って言うのかな。

まぁ、私は政治の事なんか疎いしインテリでもないので難しいところは華麗にスルーしたいのだけれど。つってもアメリカ合衆国という、州によって大層性格が異なるであろう地域で本当に同性愛に親和的な全体的傾向があるかどうかわからないんだが。確かにそういう向きもあります。http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20061111010003941.aspこの他にもどっかの世論調査で米国人の約6割が同性カップルの法的権利を支持してる、てどっかで書いてあった。どこだ。これだ。このページにあります。米世論調査:6割の米国人が、同性カップルの法的権利を支持 : TransNews Annex   英語は読めない・・・。読めないんだ。

コレのどこがいいかというと、すぅごい私的に役に立つお手本な言説が掲載されてるからなの。記事の著者さんが留学中、解放運動者に聞いたという質問の回答が秀逸なんだわ。これは是非是非メモ(φ..カキカキ)

キリスト教では禁じられている行為では?

キリスト教は数ある宗教の一宗教に過ぎない。ただ、キリスト教徒でありながらゲイであり続ける人々もいる。旧約聖書には「同性同士で性行為をしたものは死刑に処されるべきだ」と書かれているが、同時に「安息日の日曜日に働く者」「異なる繊維の交じった衣服を身につける者」も同様に断罪されるべきと書かれており、現代ではおよそ通じない戒律が多い。また聖書そのものが今のような形で編纂されたのは中世の時代であり、イエス・キリスト自身が発した言葉から同性愛に関する言及はなかったので、一概にキリスト教が同性愛を禁じているとは言えない。

くー、なるほろな。確かに、こんな無茶な戒律を律儀に守るのはチョット荒唐無稽。キリスト教って色々な解釈ができそうです。

−なぜ、人は同性愛者になるのか?

生まれつきや環境によるものとか諸説あるが、実際のところはっきりとしていない。それは異性愛に関しても同じことである。男が女を愛する理由や女が男を愛する理由も科学的に解明されているわけではない。そのように原因を探ることこそ、同性愛を異常な行為であると偏った見方している表れである。

そうそう、そもそも人の性なんて語りつくそうとしても語りつくせない不可解な物だよね。そしてそれは人が人であるゆえに(文化をもち思考する者であるゆえに)当然の事。ならば学者以外がわざわざ同性愛の原因なんて探る意味はどこにあるのか?ゲイセクの一部は原因追求の向きを批判している。異性愛だって相対化されるべきだと私は思うケドなー。そっちのほうが良心的マジョリティの人にとっても気が楽だと思うにゃ(-w-)。


あと、記事内では開放運動者の台詞も「せいてきしこう」を性的志向と書いてある。多分英語だと日本語の同音異義語と違い、志向と指向と嗜好はそれぞれ異なる言葉で発音してるだろうからさ?著者さんがわざと志向に訳さない限りは「性的志向」と語っていたんでしょうが・・・。私、同性愛者は自分達の「しこう」を(変えようと思っても変えられないという意味での)「指向」として語る事を好むと思ってたからさ。チョット以外。外国じゃ事情が違うのかしら。



ただね、これを読むにあたって、私なりの気になった点を注意してみたい(あ、なんか偉そう!)。でも瑣末です、興味なかったらどうぞスルー。


大体気になるところは最初の方と最後の方です。まあこの程度で目くじら立てるのもなんだかなーですが、留意点って程度で大目に見てね。


1点目。記事内で共和党の支持率が落ちたのは、支持母体であるNAEが「同性愛スキャンダル」の影響で投票する気を萎えさせたから、と書いてあると思うのね(駄洒落を込めたんだけど、分かりにくいか?)。
これでね、瑣末なことなんだけど。そもそもスキャンダルって言葉なんだけど。


「同性愛スキャンダル」というのは、あくまで“現在保守(というか反同性愛)が主流である共和党”のなかで、同性愛を指向していることがばれれば、デメリットになる。という点からなら「スキャンダル」と言えるんだと思うの。

というか、表記の問題がある。上記のような意味で、スキャンダルだというならば私も問題視はしない。けれど、公共の記事において、このような同性愛とスキャンダルを同一視しかねない表現をすることが問題。
だから、以下のような意味でのみスキャンダルと呼ぶならおそらく問題はないと思う。

つまり同性愛そのものが必ずしもスキャンダルなワケではなくて。(とはいえ、そういう現状がある事は否定しない。要は、そう表記すること自体が問題なのだ。)そして、同性婚反対などを主張する共和党(と支持母体)にとって明るみになれば言動が矛盾してるからスキャンダルになるんだ、という意味でならばスキャンダルと言える。と私は思うの。私はね。*1


客観的に、或いは差別反対の姿勢から言うならば、同性愛をスキャンダルとしてみなすのは、根本的に許されない。(と言うか私が許さない。)
スキャンダルと言う言葉を、そのまま使うならば、本来同性愛以外の事象をスキャンダルだと位置づけなければ認められない。なぜなら同性愛は、本来的にスキャンダル扱いしてはいけない物だから。(なぜって?まあ私のブログをまた見てってくださいな。)



要するに、私が問題だと思うのは(ジャーナリズム的な意味の)“表現の社会的影響”という点だ。

「なぜスキャンダルになるのか」を説明せずになんの注釈も加えないということは、「同性愛は何の落ち度もない人でも同性愛者ならば恥ずかしいことだし、すなわちスキャンダルになる」というメッセージを与えることになるのではないか?
これは一種のバッシングに加わる効果にならないか?(いえ、ならない。と言われればそれまでかも・・・。)
よって、もし、同性愛者を叩く記事でないなら*2、「スキャンダル」という語彙は避けるべきであったし、もし使うならば、そのスキャンダル性が何処にあるのかをはっきりと説明しないことには、読者に要らないメッセージを与えたり混乱を招くのではないか。
そう、つまりはジャーナリストとしての立場ならば、こういう書き方は私は認めないし、差別の再生産をしかねない表現に対しては、改めるべきだし、語彙の選別には慎重になるべき。
しかし、この人はジャーナリストではないだろう。そもそもJANJANという記事がそういうものなのかもしれない。無賃で消費者が記事を生産してくれる、という場ならばこのような表現が出てきてもある意味当然だ。なぜなら現代はホモフォビックだからだ。
一般の人がこのような表現をすることは最初から分かっている。だからこの記事の不適切な表現は、結局社会の中の問題でもあるわけだ。私はそう思う。
同性愛を無条件にスキャンダルとみなすのは不当だ。これを踏まえておいて欲しいと思う。
上記、2007年1月9日追記あり


2点目。最後の方に、〜同性愛反対主義のハガード氏でさえ性的志向を治せなかった〜、というような趣旨の事を書かれていると思うのだが。


・・・・?性的志向を「治す」?意味が分からない。同性愛に限らず、志向性とは治したり病んだりする物なのか?w?ソンナバカナ・・・!



これはなんなのか、著者の意図が分からないし無視してもいいかもしれない・・・。
もしやなんらかのレトリックなのか?
現実社会と乖離した思想を持つ人達にわざと皮肉を込めてこのように書いたのかもしれない。
・・・だけど、せっかく解放運動者に意地悪な(否定的な、でしたっけ?)質問をぶつけて丁寧に回答を得たのだから、やはり「性的志向は信仰により治せる物ではなかった」は不適切だったかと。

ここでは志向と書いてある。この場合の「志向」とは一体なんなのか?何を指すのか?
・・・・もしかしたら、これはハガード氏が政治に関係しているため、自己の性指向は政治的戦略として制御するものであり、指向であり且つ志向でもある、・・・ということなのか?
しかし、なんにしたって「治す」などの表記をする必要はなかったのでは?と思う。*3てゆーかだーかーらー、治療の対象ではないと運動論者も言ってたではないか。*4治す、というのも皮肉か?ま、ちょっと不適切かなと思ったの。それだけ(^v^*
あとのはあれだ。信長が蘭丸と出来てたのなんて腐女子なら常識*5
これも同上、追記。

そういえば最近もBLでわかる歴史書みたいな物が発行されてたなぁ。わかるのか?歴史が?歴史に疎いので読んだほうが良いかしら?w?

*1:売春行為の是非はともかくとして。勿論(米国日本共に)世間一般でも同性愛者である事はゴシップ扱いでしょうがね。言わずもがな。

*2:そんな記事あったら抗議しなきゃな。

*3:なぜって日本も未だ「性同一性障害と同性愛てどう違うの?」て混同してる人も居るくらいよ?そのなかで、もし私が想像した通りのトリックだとしても気づく人はどれだけ居るのかしら。

*4:ちなみに日本できっちり同性愛が治療医療の対象から外れたのは1994年だそうです。

*5:もっとも、それについては異論もあるみたい。蘭丸は荒小姓だったとか、前田利家との関係の方が重要ではないかとか・・・・。