またほざいてる。

前回の続きです。
http://www.city.kani.gifu.jp/public/danjyo/index.html
http://sakura4987.exblog.jp/4769026
http://netuyoku.blog67.fc2.com/blog-entry-316.html


はい、可児市男女共同参画社会づくり条例です。(だから本当長いよ。)
どうでもいいけど、可児市て「かごし」て読むんだよね?・・・香具師に似てるよな。(あ、「かにし」ですか?)

えーと、どうせまた多少は沸いて来るんだと思いますが、どうでしょう?今回はバックラッシュ的出来事は起こらずに済みそうでしょうか・・・。


ドメスティックバイオレンスセクシュアルハラスメント、積極的格差是正措置(アファーマティブ・アクションて方が周知かしら?)。これらが明記されてます。それと、条例には直接に書かれてませんが、解説書の方ではリプロダクティブヘルス/ライツの概念を紹介してます。

以前紹介した市川市の条例ではこれが否定されたわけですね。

さて、私が気になったこと。


性同一性障害のことが書かれてるー!

(7)男女の性別にとどまらず、性同一性障がいを有する者、その他のあらゆる者の人権について配慮されること。

(第3条引用)
あと、一応在住外国人のことも書かれてた。

私は、性同一性障害の人がわざわざ条例で明記されることがどういうことかわからないけど、でも今の時点でこういう文が明記されることはよいことではないかと思います。


(話はそれるが、)都城市でも、性的指向による差別等に言及していたのに、それを削除されて・・・。あの時、市長は「すべての人」という表現であらゆる性的指向の者をも包括した!と苦しい言い訳をしていたけど。
でも実際に困ってる場面がある、困る状況がある時、ちゃんと目に見える形で少しでもフォローできる公式見解がないとダメダメだと思うんね*1。だって、実際に差別がそこにあるんだから。
そうしたとき、わざわざ「性的指向による〜」の文言を削除してしまうと言うことは、実際の差別を容認しかねない態度であって。
しかも、日本では性的指向による差別の撤廃がなんら明確な形として打ち出されていない超後進国なんだわさ。それだのに、現在は必要であるはずのフォローをないがしろにした「男女の平等」では、そこに排斥の向きを黙認してしまう意味を持たせてしまう。


・・・だから、条例でもこのような(排除される可能性のある者について)文を明記することは重要なことだと思うし、必要なんだと思う。
勿論、「性同一性障害の人も対等な社会の構成員としてその人権を配慮するだぁ?んなの当たり前だろうが!!」ていわずもがな〜な社会であったら一番いいと思うけどね。

性同一性障害の人は女性であったり男性であったりする。あるいは、そうあろうとする。私にしたら、ジェンダーなんか持ちたくもないのでジェンダーレスな社会の枠組みがあったら嬉しいんだけど、それはそれとして。それとは別に、建前ってあるから。
社会が「男女」という仕組み(建前)で社会を構成しているなら・・・。その時、男女であるすべての人に、その性のあり方を規定させちゃダメだと思う。あるいは、そこに優劣を置いたらダメだと思う。実際に男女の枠組みで平等を謳うのに、そこに「これは一級男性〜これは二級男性〜」とか線引きをしてはいけないでそ?そんな権利誰にもないんだから。
性同一性障害の人は名誉男性、名誉女性だから、みたいな差別的態度であっちゃ、男女平等男女同権が聞いて呆れる。そんな恣意的に分けるようでは単にお笑い種。そういうことを踏まえて、ちゃんと男女平等は性同一性障害だろうとなんだろうと保障されますよってメッセージは必要だと思う。
誰のための男女平等って言ったら、・・・別に誰かのためだけのものでもないし。だし、現時点で性同一性障害の人権に触れるのはごくごく当然だと思うの。そして、配慮しなきゃいけないことだと思うの(だって、性同一性障害で不当な差別を受ける危険はあるんだし)。
・・・まあ当事者がどう思うか知らないけど。


そーれーかーらー。
第5条から、市民と市民が関わる各種団体と事業者と教育関係者の責務について書かれているのだけど。
〜〜のように努めるものとします、や、協力するものとします・・くらいは別に何の強制でもないと思う。別にこれくらいどこの条例案でも書かれてるんじゃない?


それとー。
第2章の第9条。
権利侵害の禁止等と書かれているが、これもまずよく前提条件を捉えた方がよいと思う。これは、別になんらかの法律で禁止し罰則するとは限らないでしょ。まあ無論、犯罪になるような行為は罰せられるでしょうが?
これは、市としての立場で禁止する方向を持つってことでいいんじゃないかなー。よく知らんけど。

で、性別を理由とする差別的取扱い
これって、ジェンダーにおける「らしさ」と直結するものなの?違うんじゃない?
今も書いたように、別に「○太郎!男らしくしなさい!」は別に犯罪じゃないからー。条例に反してるだけでそれを取り締まるようなことを予想したらちょっと飛びすぎ。
それに、差別的取り扱いって、性別を理由に職業差別したり優遇したり冷遇したり・・・のことと捉えるのが自然では?第20条で9条に併せた形でDV防止的なことを表記してるあたり、私的な内容と同列における意味での差別(やハラスメントなど)を書いたわけではないと思うが。*2
もっと公の意味での差別的態度に言及するべきなのが、この手の条例なのだと考えます。


で、バックラッシャーさんが悲観なさるのが、「家族の崩壊」というテーマなのでしょう。ああ、文化の破壊ですか?

で、多分ここらへんに脊髄反射なさったんじゃないかと思われ。
第18条と第21条。

(家庭生活と職業生活等との両立支援)
第18 条市は、男女が相互に協力し、子育て、介護その他の家庭生活における活動と、
職業生活その他の社会における活動とを両立できるよう必要な支援を行うよう努め
なければなりません。

と、

(生涯にわたる健康に対する支援)
第21 条市は、男女が互いの性についての理解を深め、特に妊娠、出産その他の性及
び生殖に関する事項について女性の意思が尊重され、生涯にわたり健康な生活ができ
るよう情報提供その他の必要な支援を行うよう努めなければなりません。

あたりかな?*3

子育てや介護って結局母親がすべきってわけではない。できるひとがしたらいいよね。まあしたくないけどさ・・・。
だから、女性に押し付けたい人はご家庭でどうぞ。・・・それを許容してくれるならね?南信州サイバーニュース


で、妊娠出産等の性及び生殖のことは・・・・。
これは・・・明確に女性自身の問題なのだから、女性の意思をまず尊重するのは当たり前・・・・です。勿論、そこに男性がいたりするんでしょうが、生殖能力のある女性が性と生殖の問題を自律的に扱えないと不便。だって、必ずしも当事者が夫婦であったり、傍に男性が居るとも限らない。あらゆる場面を想定して、女性(と言う群)に見られる能力に関してはだれよりも当人・・・つまり女性の意思を尊重するのは当然ですね。夫婦であっても、女性が自己の身体を考えるときに、他の要素により自我だとかプライバシー的なものが侵害されることのないよう配慮するのがやはり大事だと思う。まず必要な前提はそこでしょ?その上で、夫婦間であろうとなかろうと議論されるんじゃない。女性自身、こういった「自分の体は自分の意思が尊重されるべき」って前提条件を確保しておきたいよねー。だって自分のことだもん。

こういうことを持ってして、どう文化の破壊だとか家族の崩壊だとかが想起されるんだろう・・・?どうしてそう思ったんだろう?
つまりそれは、男性からの支配性が、その文化家族の核を一部担っているととっていいんだね?*4
↑私、常々バックラッシュ的(八木的?)家族や文化の解釈って不明瞭なものと感じてたんだけど。そもそも文化って時代の変化の中で培われる偶発的なものって要素もあるんじゃないの?としたら、家族や文化の保存を基本理念としない条例がどんどん出来る事で崩壊するんだとしたらそれ自体が文化であり、家族であったのでは?とも思う。ちょと無理やりかもダケド。でも、文化を変わらないだけのものとして捉えるなら、その対象自体の本来的意味や重みを狭めたり軽んじたりすることになるんではないかな?
たとえそれをとりまく社会が変わっても、昔ながらの「家族」や「文化」の中に在った「大事なもの」それこそを守ることが保守なのかな?とも勝手に思ってるんだけど、どうかしら?
私家族や文化に対する価値観ってあくまで皮相的なもので、第一義的に尊重するものではなく、尊重すべき多様性の一つ・・・じゃないのかと違和感を持つのだが。バックラッシャーな方達の言う文化や家族って結局どれとどれのことを指すのだろう?

いや、つーかさ。家族とか文化ってそんな死んでも守らないといけないものなのだろうか?というか、・・・守られなきゃ存在できないものって単に時代に合ってないんじゃあ・・・?とかとか・・・。


しかし、10条と13条は反感を持つなぁ・・・。皆さんはどうでしょう?
10条は・・・表現の自由は?ってとこと。
13条は、まず先に積極的格差是正措置ありきの話なの?って。
うーん・・・。そうか、積極的格差是正措置はアファーマティブアクションではなく、単純に格差を埋める、ということなのかしらん?*5
まあそれも不当な差別から来る格差ならいいんだけどねぇ・・・?っていう。ね。
ジェンダー間の格差については、あらゆる視野から全体性を捉える態度が必要でしょうね。

はい、もう面倒くさいからここまでにするわよん!
あー腰イタ。

*1:とりたててマイノリティは「すべての人」から除外されることもあるので・・・。

*2:・・・ハラスメントはハラスメントであり、それぞれに慎重な対応が求めら得るだろうが。でも、「男らしくなさい!」は一般的意味での差別やハラスメントと同義に語るべきものなのか?という・・・。

*3:ところで、pdfのコピペの仕方今はじめて知った!うぅ〜ん、ブログやってると勉強になるー。

*4:拝借御免!なんだか恐ろしげであります - Imaginary Lines

*5:積極的差別是正措置と積極的格差是正措置の違いは何?!