良い意味で「いつも通り」の山田ユギたん。

おひっこし? (ジェッツコミックス)

おひっこし? (ジェッツコミックス)

[rakuten:book:12020120:image]写影がないので楽天も紹介。
今回は山田ユギたんですが、BLではないのでこちらでレビュー。

どんな物件も事件(?)もおまかせ!
お望みの部屋をお好みの従業員がお探しします!
山田ユギの『賃貸コメディ』登場!!

個性的でちょっと脱力系の従業員と物件お探しのワケアリお客様との交流を描いた山田ユギたんらしいコメディ。
同氏作の「俺は悪くない」や「我らの水はどこにある」的な感触のコメディと似てるかしら?


山田ユギたん、今回女性のお客と不動産屋従業員のニア恋愛(?)モノに挑戦なんですが、・・・ごめん、一瞬女性が受けに見えた。
今回出てくる女性人を受け(男性)にしたらそのままBL化するね!て感じに思えた。
でもそれは、山田ユギテイストを一貫してお贈りしました!て感じのストーリーなので、当然の事だろうし違和感はないはず。(あるとしたら貴方は氏のBL読み慣れすぎ)
私は女か男かでそれほど関係性に違いがあるとは限らないと思ってるので、コレを読んでも「BLと同じで芸がない」とは思わない。だって、現実的に考えても男同士と男女どっちでも親交の深め方なんてそれほど差異はないでしょー?もしユギテイストを一貫するのなら、むしろ男女か男同士かで描き方に違いがあるほうが意外だしなぁ。



山田ユギたんはさ、なんというかキャラクタ性をなかなか深く描き込んでるんだよねぇ。
人に歴史あり、と云うけれど、ユギたんはキャラクタの過去や境遇というものを活かしながらお話全体にインパクトを持たせたがる作家だと思う。だから、キャラクタの生い立ちや思い出と云うものを丹念に描くことで、「キャラクタそれぞれの過去を持ちながら今までの人生を歩んできており今があるんだなぁ」、といった印象をちゃんと読者にも印象付けてる。
そして、色んな過去の上に立つ人生だから葛藤や過去の縛りみたいなものと向き合うキャラクタがそこにあるわけだけど、彼等には未来もあって。その未来に繋がるエンドマークを情感溢れる形でつけてくれるんだよね。
その未来を描くとき、それぞれの人生の奥深さを感じさせて伝えてくれるから、どんなハッピーエンドでもユギ作品は心温まるストーリーに思えるんだよね。


今回あんまりラブ要素はなかったんだけど、それのほうがむしろ良かったかな。ちょこっとだけ希望の光(笑)を残しておいて各話を締めるから、カプがくっ付くことでのときめきはそれほどはないけれど、その分人情を楽しめる感じだから賃貸コメディとしてうまく纏まってる。
私としては、そこらへんはBLとは違うから、少し安心したような・・・w皆様はどうだったかしらね。


しかし、ラブラブ甘々でない以外はもう本当BLのときと同じ印象。
女の子が受けであっても良かった、てくらいいつも通り。不思議系の女の子も美女も、見た事あるような。。。
でも、やっぱりそれでも女の子なんだよネェ。結婚や男女同室の問題など、男女である故の事情と云うのも今回はあったし。でもそれを描く姿勢はいつも通り。これが男だったら、やっぱり男同士ゆえの問題も(あんまり)放置せず描くだろうし。
だから私は今回のは、今までのユギたんのBL作品の中で脇役キャラだった「男女を描いたらこういうふうになるんだろうなぁ・・・」みたいのを実際に描いてくれた!て印象でした。良い意味でいつも通り。ただ単に今回は男同士から男女の話中心にシフト変えただけって感じ。(あ、でもそれは私が彼女のBL読んでて先入観があるから?キャラに女の子っぽさはあるよ?)



で、「いつも通り」ってことだから?今回のユギ作品で「いつも通り」なのに萌えられなかった方がもしいたら・・・、きっと貴方は生粋の腐属性なのでしょうw
おほほほ。・・・なんだよ、その生ぬるい目で私を見るのをおやめ!別に俺はなぁ!?俺はなあ!・・・