同性愛者を笑うパターン増えてくるんだね。
立ち読みー。
- 作者: 小島アジコ
- 出版社/メーカー: 宙出版
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: 単行本
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腐女子に関して。
「あたしらホモなんて好きで、イタいよねぇ。」
と云うのは前からあった。でもこういうのも昔からあったでしょうね。
「あの女の子ら・・・、ホモなんて好きでかわいそう。」
これはどちらも同性愛をバカにしてるんだよね(無論同性愛だけがターゲットじゃないけど)。しかも、まず第一に腐女子ではなく元ネタ(同性愛)をバカにしてる。
で、本作では「ホモ同人誌なんかを若い女性たちが売り買いしてるのは世も末で嘆かわしい!」みたいな話があったけど。
この場合、作者さんは「腐女子を哀れむ」という笑いのモードで、腐をネタにしてる。これも読み方によっては同性愛をネタにして笑ったものだと解釈できる。同性愛などと云う不道徳なものを嗜好してる日本は「どうかしてる」から「腐女子インパクトスゲー」だし「笑える」。
で、本作は「腐女子を哀れむ」という笑い方で同性愛を笑う、というモードを顕在化させた感がある。
自虐であろうと外野からのバッシングであろうと、腐女子を馬鹿にすることで遠まわしに同性愛を馬鹿にするということは往々にしてあるだろう。そしてこういう本が出ることで同性愛を笑うモードの多様性が伺えるのかもしれない。
立ち読みだから偉そうにはいえないけど・・・。(ごめんね、そうそう出費ばっかしてらんないのよ。)
笑いと云うものは、 笑うもの/笑われるもの という構図を取って自己と他者の距離を隔てる場面もあったりするんだろう。そういうのは、有害な面もある。
笑いと云うものの有効性や意義は沢山あるけれど、笑うことでのデメリットも沢山あるだろう。そういう笑いの性質を認めながら、「笑い」をどう扱っていくか。それは難しい問題だ。笑いで変えられるものも多くあるもの。
笑いとは政治的だ。