その歌誰宛?

http://blog.excite.co.jp/minmiblog/6511845/
なんかご本人さん凄まじいこと書いてるけど、まあそれはそれとして。

レゲエファンからminmiさんがバッシングされることでオカマバッシングが発生してるみたい。ある化粧品のCMにIKKOさんが出演してて、そのCMにminmiさんの曲が使われてることで、レゲエファンの一部が反発してるんだって。ご苦労さん。なんだかおかまには迷惑な話。

でね、minmiさんいわく、ジャマイカでは「”オカマ死ね”、”オカマ殺せっ”」って曲が腐るほどあるんだって。んで、ダンスホールレゲエじゃオカマはタブーなんだって。
あれと似てるね。キングギドラhttp://d.hatena.ne.jp/Ry0TA/20070518

そういえばこれ系の音楽について私って一体何を思ってるんだろう。今回はこういう嫌悪感たらたら垂れ流す系の音楽について整理してみる。

えーとまずね、私はこういう「オカマ視ね」な曲やらは音楽界の恥だと思ってる。いや、「差別的で恥ずべき音楽だ!」ていう意味って言うか、単純に「誰それめ、死んじゃえ!」みたいな悪感情をわざわざ音楽に乗せて垂れ流すってこと自体あまりにもデムパじゃない?大体私こういうガキ臭い曲って時間の無駄だと思うほうなのでー。だってさぁ?「アイツ嫌いだから氏ね」ってそんなの言ったってしょうがないじゃん?そんなの言ったって聴いたって自分にメリット感じないんだもん。何か得るものあるの?って思うわけ。
・・・それはそれとして、そもそも音楽って誰のためにあるんだろう。当然音を楽しむ人のためだよね。んでも、音楽ってそんな純粋なだけのものじゃない。産業になってるっていうのもあるし、音楽の消費の仕方も複雑なものだよね。
だけれど、音楽って、やっぱりファンの人がいて、曲を気に入ってくれた人がいて、それを楽しんでくれる人がいるから音楽が音楽として成り立ってるって面もあると思う。音を楽しむってのが音楽の基本だよね。
リスペクトしてるアーティストなら私にもいるけれど、そういう人の音楽を聴くことで私はすごい救われたこともあるし、人生に一つの彩を飾れたと思う(死んだ人の言うことみたいだ)。音を楽しむって事は深い。当たり前だ。歌うってことや楽器を奏でることはすごい昔からされてきて、ずっと大事にされてきた。きっと色んな価値があると思う。

んで、そんな価値ある音楽の中で「”オカマ死ね”、”オカマ殺せっ”」て歌がある。
それってどんな価値があるんだろう。オカマが嫌いで嫌いで仕方がない人がそういう曲を聴けて心を和ませるのかな?
アニメや小説や音楽や。文化的なものってそういう面もあると思う。世の中には多くの欲求があって、それぞれの欲求を代弁したり共鳴してくれるものを探す人がいて、そのニーズに応える文化が培われる。そんな中でオカマ嫌いな人の欲求を満たす音楽が一部で必要とされることがあったわけだ。(知らんけど)
それはたとえば私が孤独を綴った音楽を探し求めたことと同じだろうか?
それはたとえば私が私に優しい音楽を探し求めたことと同じだろうか?
同じなのかもしれない、けれど違いもあるのかもしれない。よくわからない。

私は私に都合のいい曲ばかりを探しているかもしれない。やっぱりある程度自分と合うアーティストの曲を聴きたいもの。私には音楽に対して好みの傾向がある。その傾向にあった音楽を選ぶ。それはもしかしたらJPかもしれない。もしかしたらある一人のシンガーソングライターかもしれない。
けれど、選んだ音楽は当然私に都合のいい音楽ばかりじゃない。結局アーティストとの折り合いをつけて楽しんでる。でも、やっぱり耐えられないものもある。私なら「Kill me」とかならまだしも(むしろ好き)「オカマ氏ね」ってどうよ、と正直感じる。「女氏ね」とかもイヤ。なんかイヤ。
じゃあ、結局個人の好みの話なんだろうか。でも、正直「オカマ視ね」だのなんだのとうるさい音楽が垂れ流されてただでさえ世間から否定的に見られるオカマが更にバッシングされるのを見ると、胸が痛い。この痛みはどの程度掬い上げられてもよいのだろう。


極論を言えば誰かを痛めつけない音楽なんてないのかもしれない。けれど、殺せとまで言ってしまい、結果、差別の構造に音楽を引き入れて・・・、果たしてその音楽は音を楽しめるものだと言えるんだろうか?音楽ってそんなものだったの?
忘れてほしくないことがある。
レゲエに何らかの欲求を掬い上げてもらった人々は多く居ると思う。その中に、オカマはいた/いるだろう。レゲエの話からそれて、キングギドラの話もそう。彼らは同性愛者の命を奪っていいかとメッセージを曲に乗せた。キングギドラの曲を楽しむファンに同性愛者はいた/いるだろう。そういうファンを、その音楽は裏切るんだ。これほど、音を楽しむということを否定する行為があるんだろうか。
音楽への冒とく?いや、そこまで難しい話は分からない。けれど、これほどまでに、痛ましい音楽はないと感じたりして・・・。