なんか案外と・・・
じゃあ、今日はブックレビューです。
ゼロコミックスなので、リブレ出版ですが。BLではありません。
ふっつーにネタバレです。あと死ネタ。注意。
- 作者: あき
- 出版社/メーカー: リブレ出版
- 発売日: 2006/12/09
- メディア: コミック
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絵はサラり小奇麗。少年少女の柔らかい表情が魅力的だ。
あらすじは、
「歌姫」の能力を持つのは女性のみ。
生まれ乍らにその身は国に捧げられており、彼女たちが歌い続ける限り国は平安を保つ。
そんな中、禁忌である男の「歌姫」が存在して・・・?!
彼を巡って、悲しくも優しい物語が紡ぎだされる。待望の書下ろしを携えて、堂々の完結!
(コミックスカバー裏引用)
これは双子の物語でもあり、歌姫と言う搾取される側の物語でもある。いや、搾取し自分たちの平穏は守られていると犠牲を募る弱さと、搾取される側の当惑、無念、様々な積年の思い。
そういうのを描かれているのだと思う。
この物語は偽りの平穏にある「破綻」を巧く表出させている。悲劇、ではなく。どこか胸に刺さるテーマを扱ってるように思う。それは、社会的な・・・私たちにも身に覚えがあるような袋小路にはまった時の欺瞞や混迷の物語と言うか。
主要キャラクタは3人なのだが、この3人が全ておいしい位置にある。
女だが本当は歌姫ではない姉、男だが歌姫である弟、搾取し管理する側である村長の息子。
この誰もが、自分の内面に抱える闇を持て余す。
私がいいと思ったのは、単にイレギュラーである男の歌姫を出すことによって、稀小のものを愉しむというだけの構図にしなかったこと。BLではぱっと見女性キャラクタは荒い描写しかないが、なかなか彼女の葛藤が痛々しいほどに描かれていて、物語の切なさを引き立てている。
そして、結局物語の根幹は、世界のゆがみとか人々の心の依存性とか弱さだったりする。
破綻は、私たちにも同じような形である。うん、私にもよく見に覚えがある。
さて、この本の内容現実に移行して読むと面白いかもしれない・・・。
歌姫以外にも「ダリカ」というのもある。これも少し異端を描いたというか。
私はこっちのが色々好き。主要キャラクタが国家機密に関わり、ダリカを殺す。殺し続ける。3年も。
これも結局は国とかなんとかが必要であるかどうか、どこかの誰かの、しかし全体の都合により異端であるとみなされ、削除されるという重いテーマ。置き去った物にいったい何があったのか?何故私たちはそれを置き去りにして生きるのか?そうしないと生きていけない。みたいな。
でも、そうしないとここでは生きていけない。
だから、泣かないで。
あんまり悲しくてここにいられなくなってしまうから。
歌姫は解放と言う救いがあったが、これは・・・・考えるー。
排他排除は、本来の願いたり得ないのだなーって・・・。
とりあえず、ブックレビュー。
うーん、書きたいことがあるのだけど・・・書けないなぁ。