つぶやき。5

ああ、私、読みたい。こういうのが読みたい観たい。

  • ゲイと少女のラブストーリー。

そうだなぁ、たとえば少し重たい雰囲気を持っているゲイセクシュアルの男性が居る。その男性が、ヘテロセクシュアルに目覚めるんじゃなくって、自分のゲイ性を確実に残しつつも、精神的支柱、パートナーに関してはあるひとりの少女を心から求める、みたいな。
それでありつつも、バイセクシュアル性を排斥しない形での、少女との高揚あるセックスを見てみたい・・・!
ゲイ男性のメンタリティが、社会の中で鬱屈とした印象を持たせることを、たとえば閉塞的な家庭環境と云う設定を使って演出し、尚且つ少女の方も、漠然とした社会全体への抵抗感がある。そんな中、互いのメンタリティに何らかの親和性を見出し、友情を結ぼうとするが、そもそも行過ぎた感情と云うのは、友情と愛情の幅を決めない。ふたりはふたりの感情を温めながら、互いが(本来自己のセクシュアリティに向かうはずでない)相手のことをかけがえのないパートナーと認識する。その過程が観てみたい!そのストーリーの中では、セクシュアリティ=恋愛の図式ではなく、リビドーも含め想いのボルテージが一対一の絆を生産することを、情緒的にそして実践的に暴く。幻想的な恋の姿が、世間一般の恋愛観から外れたとき、恋と云うものが名づけられるその瞬間と過程をまざまざと写し、それが恋と云うものが固定化したパターンでのみ作られるのではない実態を見せ付ける。想いと云う曖昧なものが、どのような可変性を持ち、いかに社会的に構築され固定化されていたか。それを過程を見せ付けることで、恋愛と云う事象が意図的に社会的に意味づけられていると言う真実を暴く。そして、人間的な営みが、そこで再発見される・・・。
そんな話が読みたい・・・。


あと、

とか読んでみたい。多忙を極める産婦人科医の男のゲイとしての人生を描いている話とか。
そうさなぁ、家族からゲイバッシングを受け、仕事のため恋人も出来ず、自分と云うものが根無し草に思える。それでありながら、日々人手不足の環境の中、右往左往しながらてんてこ舞いで身を削って働く。自分自身の人生はさっぱりうまくいかないのに、他の人の人生にだけ深くかかわることでの胸の空洞。そういうものを抱えつつも、いつも無事子を出生し届けられたことに安堵を覚えつつも、命を想う。少し心の癒しと再生をテーマにした感じのストーリー。


あとあと、

  • ゲイが不倫していて、その相手の奥さんと友達になる話

たとえばぁ、ネコゲイが、テニスの趣味を通してジム(?)である壮麗な婦人と出会う。そこで意気投合してお茶をしたりして親交を温める。
お互い少し変人で、話のテンポが緩やかでありながら、どこか奇妙な精神を伺わせる。そして、そんなふたりが、お互いに似通った部分を見出し、「うふふ、私たちってなんだか似ているわね」と仲良くなる。
そうして気持ちよく接していくんだけど、ふたりで恋愛の話なんかして。
「俺は今、奥さんのいる男と恋愛しているんだけど、どうも相手の男が煮詰まらなくって。」みたいな話をして「私の夫なんていつも仕事仕事ってそればかり。そのくせ、仕事なんて面白くもなさそうで・・・。それで、子供のいない私はこうやって暇を持て余してテニスをしてるってワケ。」なんて言い合ったりする。
しかし、実はふたりとも同じ男の話をしている。
電話のやり取りとか、そういうことから少しずつ何かを気づき始める彼女。またネコゲイの彼を誘って食事とか行くんだけど、その中で彼女の話を聞いていると、彼自身もその何かに気づき始める・・・。
彼女の目的はなんなのか。それは、別に夫と彼への単純な嫉妬とかじゃなくって。それは、自分の人生に対する懸念みたいなものを、彼と夫とのやり取りの中でぶつけていくような所作だった。
そしてお互いに気づいたときも、「あの人って、ビールを飲むとき必ずしかめっ面するのよ」「ああ、あの人はいつも難しそうな顔をして一服してたりするんだよね」なんてどうでもよいことを話しながら、奇妙なランチを共にする。そうだね、江國 香織 の温かなお皿みたいな話。


そういうのが読みたぁい!!
誰かそういうの知りません?