ここはプロフェッサーの妄言として退けるのも一つの手かもしれない。

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 新快報などによると、中国で美少年の同性愛「ボーイズラブ」を扱う小説やコミックが若い女性に流行しており、専門家は作品による幻想と現実の区別ができなくなる恐れがあるなどと警告している。

……「専門家」?
なんか怪しげな予感がしたけれど、内容はこんなんでした。↓

  心理コンサルタントの馮敏玲氏は、内向的で恋愛経験に乏しい若い女性が「ボーイズラブ」作品に接するべきでないと主張。恋愛に対する自然な欲求が、作品の世界にひたることにより解消されてしまい、現実と幻想が区別できなくなる恐れがあり、極端な場合には性意識*1の発育が阻害されるという。

あら、心理コンサルタントさんでしたか。

さて、こんなのは腐関連だけに限らずオタク全般の話でよく聞かれる言葉ではありますよね。だけども当然ながら、現代はBLだけに限らずドラマやポルノ、その他の媒体により、恋愛(または性愛)はあらゆる形でメディア化されている。そこにおいて、BLだけが個人の性愛や恋愛欲求(とその具体的傾向)に影響を及ぼすかのような議論は成り立たないし、また人々の観念というのは社会的に構築されるものだと私は考えるけれど、メディアに触れられる文化圏の人々の“実際の恋愛”とメディアの恋愛(「幻想」?)は相互的に関わり合っているもののはず。だから、一つのジャンルに対してだけ根拠の提示もなく、“ただ現実ではないというだけの理由”で性愛・恋愛の構築性を阻害するものだと論じるのはナンセンス。メディアの情報溢れる社会において、提供されつづける「幻想」と無関係な人間なんていやしないのだしね(「BL読んだら性意識の発育が阻害される」んなら、他のメディアによって既に多くの人が「性意識の発育が阻害され」ているはず。)。
というか、別に生身の人間に対する恋愛欲求なんてなくてもイイじゃん。そうじゃないと「自然」じゃないだなんて、大きなお世話。実際に「自然」じゃなくても特に困らなさそうだしねー。
大体、何かブームが来るたびにこうした「専門家」は似たり寄ったりな警告をするものだ。そんな訳で、文化を享受する者(・・・というか若者?)は、いつの時代もこういうことを言われつづけるのだと思う。だけども、そうしたヒステリカルな反応はただの不安を煽りたい人の妄言として退けてしまって良いもののように私は感じてしまうのですw
ま、プロフェッサー馮敏玲氏には悪いのだけどね。

ところでBL読む女性の心理には両性愛的傾向があるらしいですよ、プロフェッサーによると。<イミフ度がいっそ素敵。

*1:<て何?